このサイトについて

このページでは、下記の項目について説明している。

  • このサイトの目的は何か
  • このサイトの対象読者は誰か
  • Simulation AIとは何か
  • このサイトを見れば、何を理解できるようになるか
  • このサイトはこれから、何をしていく予定か

サイトの概要

本サイトは、物理シミュレーションと機械学習を組み合わせた領域に関する理論・最新論文・ライブラリなどを包括的に理解できるサイトである。

サイトの意義

本サイトは、筆者が普段研究をしている物理シミュレーションと機械学習を組み合わせた領域 (= Simulation AI)に関して、最先端の分野であるがゆえに、解説記事の少なさを問題視し、始めたものである。

本サイトを通して、Simulation AIに興味がある学生や応用したい企業従事者の理解を少しでも支えることが目的である。

筆者自身、このようなアウトプット活動が初めてである上に、若年の身であるがゆえに、表現や理解の浅さが露呈し、誤った発信をする可能性がある。誤った内容を見かけたときは、遠慮なくお問い合わせフォームにてご指摘をお願いしたい。迅速な対応を心掛ける。

対象読者について

このサイトの対象読者は下記のとおりである。

  • 機械学習と物理の融合分野に興味がある人
  • 機械学習による物理シミュレーションの高速化 (=サロゲートモデル) に取り組んでいる人・興味がある人
  • CAE技術者で、機械学習を応用したいと考えている人

最終的なゴールは、知識はないが興味を持った人がこのサイトのみで最新論文まで理解できるような知識をつけることであるが、途方もないので、初めはある程度知識がある方が理解できるような記事を書く予定である。例えば、機械学習の基礎を解説する記事を書くのは、ずいぶん先になると思う。ご了承いただきたい。

Simulation AI について

本サイトで述べるSimulation AI は主に、機械学習によって物理シミュレーションを高機能にすることを目的とする学問領域である。

対象とする物理シミュレーションは、

  • 数値流体力学 (Computational Fluid Dynamics)
  • 構造解析 (Structural Analysis)
  • 電磁気解析 (Electromagnetic Field Analysis)
  • 分子動力学 (Molecular Dynamics)
  • 気象解析 (Numerical Weather Prediction)

などである。

①~③は、いわゆるCAE解析(Computer Aided Engineering)として知られる解析であり、設計や製造で広く用いられている。特に自動車や航空機など試作に時間がかかるケースで利用されている。

④は、①~③に比べてもう少しミクロスケールな物理シミュレーションであり、原子同士に働く相互作用をモデル化することで化学的な現象を理解するために行われる。材料開発の分野でよく用いられている。

⑤は、よりマクロな物理現象のシミュレーションであり、多くの場合、観測データからモデル式を推定 (データ同化)しながら、シミュレーションを行う。

おおよその物理シミュレーションは、物理現象を偏微分方程式 (Partial Differential Equation, PDE)としてモデル化し、PDEに適切な境界条件と初期条件を与えることで得られる解の離散的な近似解を計算している。①~⑤は程度の違いはあるが、物理現象のモデル化PDEの近似解の計算に共通の課題を持っていて、まとめると下記のとおりである。

  1. 実行時間
  2. 精度
  3. 難易度

時間に関しては、1週間程度解析にかかるものもある。

精度に関しては、どの手法も課題であり、物理現象を再現するためには、適切なモデル選択やパラメーターの同定・適切な離散化手法が重要である。

難易度に関しては、解析難易度も高いが、適切に結果を考察することも非常に難しい。通常の解析では大規模データになるので、データ処理に関する技術も求められる。

上記、1~3の課題を解決するために、主にデータを利活用した機械学習的なアプローチ (=Simulation AI) が研究されていて、上記課題を解決した高機能物理シミュレーションの創出が求められているのだ。

さらに、昨今 ChatGPTを初めとする大規模言語モデル (Large Language Model) が急速な発展を遂げているが、AIの次なる発展は物理空間におけるAI (=Physical AI)であるだろう。そのためには、物理空間を高精度かつ高速にシミュレートする必要があり、Simulation AIは必要不可欠な技術だと私は考える。

サイトを通して理解できるようになること

本サイトを通して、理解できることは、下記の通りである。

  1. Simulation AIに関する理論解説
    数学・物理・機械学習に関する理論を包括的に学ぶ
  2. Simulation AIに関する最新論文解説
    論文の理論解説やサンプルコードの解説
  3. Simulation AI のライブラリについて解説
    ライブラリの使用方法だけでなく、対象論文の中身も解説

最終的には、本サイトを通して、「機械学習や数値計算の基礎も学べるし、実装も学べる」そんなサイトを目指す。

余裕があれば、システム系の解説も行いたい。機械学習や数値計算において、データの取得環境の整備は重要である。参考になるサイトは数多く存在するのに加え、筆者自身知識が深いわけではないので、当面は更新しない予定である。

今後の更新予定

今後についてはまずは、専門性の高い領域について記事を書く予定である。具体的には、まずはNVIDIAから提供されているライブラリ physicsNeMo について取り上げようと思う。

このライブラリには、多くの標準的な Simulation AI のモデルが入っているので、中身を理解すれば、Simulation AIを理解したといっても過言ではない。

動かし方はもちろん、モデルを解説するような記事を随時書いていく予定である。

適宜、最新論文についても解説し、余裕があれば基礎理論に関する記事も更新していく、そんな方針である。

PhysicsNeMoは、前述した物理シミュレーション中で①~③のようなPDEを対象としたシミュレーションに関連するモデルが多い。特に、④の分子動力学はほぼ範疇にないことをご了承いただきたい。①~③のCAEに関連した研究と④の分子動力学に関連した研究は重なることが少ないことも要因である。

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